ワークライフバランスが整う福利厚生とは?事例や導入ステップを徹底解説!

「もっとプライベートの時間を大切にしたい」「仕事と家庭を両立させたい」——こうした声は、今や多くの従業員から聞かれるようになりました。企業にとっても、優秀な人材を確保し、長く働いてもらうためには「ワークライフバランス」への取り組みが欠かせません。

そこで注目されているのが、福利厚生を活用したワークライフバランスの実現です。休暇制度の充実やリモートワークの導入など、さまざまな施策が考えられますが、実際にどのような福利厚生が効果的なのでしょうか。

本記事では、ワークライフバランスと福利厚生の関係性から、具体的な事例、そして導入までのステップを詳しく解説していきます。

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そもそも福利厚生だけでワークライフバランスは整うのか?

「福利厚生を充実させれば、ワークライフバランスは自然と整う」——そう考える方も少なくないかもしれません。しかし、実際にはそう単純な話ではないのが現実です。

ここでは、ワークライフバランスと福利厚生の関係性について、以下の2つの視点から整理していきます。

  • ワークライフバランス=福利厚生ではない
  • 福利厚生だけ導入してもワークライフバランスが整うわけではない

ワークライフバランス=福利厚生ではない

まず押さえておきたいのが、「ワークライフバランス」と「福利厚生」はイコールではないということ。

ワークライフバランスとは、仕事と私生活の両方を充実させ、調和のとれた状態を目指す考え方です。つまり、仕事だけに偏るのでもなく、プライベートだけを優先するのでもなく、両者がうまく影響し合いながら相乗効果を生み出すことがゴールといえます。

一方、福利厚生は、企業が従業員に提供するさまざまな支援制度のこと。たとえば、住宅手当や通勤手当、保養所の利用補助、スポーツジムの利用割引などが含まれます。

福利厚生はあくまでワークライフバランスを実現するための「手段の一つ」。福利厚生そのものが目的ではなく、それを活用して初めて仕事と生活の調和が生まれるという点を理解しておく必要があります。

福利厚生だけ導入してもワークライフバランスが整うわけではない

「制度はあるのに、なぜか活用されない」——こうした悩みを抱える企業は珍しくありません。

たとえば、育児休暇制度があっても、職場の雰囲気や上司の理解がなければ取得しにくいもの。また、フレックスタイム制度を導入しても、結局は周囲に合わせて出社時間を決めてしまうケースも見られます。

つまり、福利厚生は導入するだけでは不十分なのです。制度を機能させるためには、職場の風土づくりや管理職の意識改革、そして業務量の見直しなど、複合的なアプローチが求められます。

さらに、従業員一人ひとりが何を求めているかを把握することも重要です。子育て中の社員と介護を担う社員では、必要なサポートが異なります。エステの割引制度があっても、それを使いたいと思う社員が少なければ、せっかくの福利厚生も宝の持ち腐れに。

大切なのは、福利厚生を「点」で捉えるのではなく、働き方全体を見直す「面」の取り組みとして位置づけることです。制度の導入はスタート地点に過ぎません。運用しながら改善を重ね、従業員が本当に活用できる環境を整えていくことが、ワークライフバランス実現への第一歩となります。

ワークライフバランスには福利厚生も重要

前のセクションでは、福利厚生だけでワークライフバランスが実現するわけではないとお伝えしました。しかし、だからといって福利厚生が不要というわけではありません。むしろ、ワークライフバランスを推進するうえで、福利厚生は非常に重要な役割を果たします。

ここでは、福利厚生がワークライフバランスの実現に貢献する5つの理由を解説していきます。

  • 福利厚生で制度を確立することができる
  • 会社でワークライフバランスに向けた運用ができる
  • 従業員の不公平をなくすことができる
  • 従業員の安心した勤務環境につながる
  • 採用や人材定着にも寄与する

福利厚生で制度を確立することができる

ワークライフバランスへの取り組みを「なんとなく」で進めてしまうと、いつの間にか形骸化してしまう恐れがあります。そこで大切になるのが、福利厚生として制度を明文化すること。

たとえば、「育児中の社員は時短勤務ができる」という暗黙のルールがあったとしても、それが正式な制度として定められていなければ、利用をためらう社員も出てきます。「本当に使っていいのだろうか」「周囲に迷惑をかけないだろうか」といった不安を抱えたままでは、安心して働けません。

福利厚生として制度化することで、利用条件や手続きの流れが明確になります。社員にとっては「権利として認められている」という安心感が生まれ、会社にとっても一貫した対応が可能に。制度の確立は、ワークライフバランス推進の土台づくりといえるでしょう。

会社でワークライフバランスに向けた運用ができる

福利厚生として制度を設けることで、会社全体として統一的な運用が可能になります。

個々の上司の裁量に任せてしまうと、「あの部署では認められるのに、うちではダメ」といった不満が生じかねません。また、担当者が変わるたびに対応が変わってしまうようでは、従業員も困惑してしまいます。

福利厚生として正式に位置づけることで、人事部門が中心となって全社的に管理・運用できる体制が整います。利用状況のデータを把握し、必要に応じて改善を加えることも容易に。組織としてワークライフバランスに取り組んでいるという姿勢を、社内外に示すことにもつながります。

従業員の不公平をなくすことができる

「あの人だけ特別扱いされている」——こうした声が上がると、職場の雰囲気は一気に悪くなってしまいます。

福利厚生として制度を整えれば、同じ条件に該当する従業員は等しくサービスを受けられるように。子育て中の社員も、介護を担う社員も、独身の社員も、それぞれのライフステージに応じた支援を公平に受けることができます。

また、制度として明文化されていれば、「なぜあの人は早く帰れるのか」という疑問にも説明がつきます。周囲の理解を得やすくなり、制度を利用する側も後ろめたさを感じずに済むでしょう。公平性の担保は、職場の一体感を保つうえでも欠かせない要素です。

従業員の安心した勤務環境につながる

「もし子どもが急に熱を出したら」「親の介護が必要になったら」——働きながらこうした不安を抱えている方は少なくありません。

福利厚生が充実していれば、万が一のときにも対応できるという安心感が生まれます。育児休業や介護休業の制度があること、時短勤務やリモートワークが選択できること。こうした選択肢があるだけで、日々の業務に集中しやすくなるものです。

心理的な安心感は、仕事のパフォーマンスにも直結します。不安を抱えたままでは本来の力を発揮しにくいですが、「いざというときは会社がサポートしてくれる」という信頼があれば、前向きに業務に取り組めます。福利厚生は、従業員の心の支えにもなるのです。

採用や人材定着にも寄与する

近年、就職・転職先を選ぶ際に福利厚生を重視する人が増えています。特に若い世代は、給与だけでなく「働きやすさ」や「プライベートとの両立」を重要視する傾向が顕著です。

ワークライフバランスを支える福利厚生が整っている企業は、求職者から見て魅力的に映ります。「社員を大切にしている会社」「柔軟な働き方ができる会社」というイメージは、採用活動において大きなアドバンテージとなるでしょう。

また、既存の従業員にとっても、福利厚生の充実は「この会社で働き続けたい」という気持ちにつながります。結果として離職率が下がり、長期的に活躍してくれる人材が増加。採用コストの削減や、ノウハウの蓄積といった効果も期待できます。福利厚生への投資は、企業の成長にも直結するのです。

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ワークライフバランスにつながる福利厚生の例

ワークライフバランスを実現するためには、具体的にどのような福利厚生が効果的なのでしょうか。ここでは、実際に多くの企業で導入されている福利厚生を、目的別に3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

  • 働き方や業務に関する福利厚生の例
  • 生活に関わる福利厚生の例
  • 健康などを支える福利厚生

自社の課題や従業員のニーズに合わせて、どのような制度が必要か検討する際の参考にしてください。

働き方や業務に関する福利厚生の例

まずは、日々の働き方そのものに関わる福利厚生から見ていきましょう。「いつ」「どこで」「どのくらい」働くかを柔軟に選べる環境は、ワークライフバランスの基盤となります。

福利厚生・制度期待できる効果
フレックスタイム制度出退勤の時間を自分で調整できるため、通勤ラッシュを避けたり、子どもの送迎に対応したりと、時間の使い方に裁量が生まれます
時短勤務制度(育児・介護以外も対象)法定の育児・介護以外の理由でも利用可能にすることで、さまざまなライフステージの変化に対応しやすくなります
ノー残業デー/残業事前申請制特定の曜日は定時退社を促したり、残業に上長の承認を必要としたりすることで、働く時間にメリハリが生まれます
有給休暇の取得ルール明確化計画的付与や取得推奨日の設定により、「休めるかどうか」を個人の判断に委ねず、取得しやすい雰囲気を作れます
テレワーク/在宅勤務制度通勤時間がなくなることで、その分を家事や趣味、家族との時間に充てられるように。身体的な負担軽減にもつながります

これらの制度は、単独で導入するよりも組み合わせることで効果を発揮しやすくなります。たとえば、フレックスタイム制度とテレワークを併用すれば、働く時間も場所も柔軟に選べる環境が整うでしょう。

生活に関わる福利厚生の例

次に、従業員のプライベートを直接支援する福利厚生をご紹介します。仕事以外の時間における負担を軽減することで、心身の余裕が生まれ、結果的に仕事のパフォーマンス向上にもつながります。

福利厚生・制度期待できる効果
育児・介護に関する柔軟な休暇制度法定の休業に加えて独自の休暇制度を設けることで、ライフイベントがあっても働き続けやすい環境を整備できます
家事代行・ベビーシッター利用補助費用の一部を会社が負担することで、仕事以外の負担を直接的に軽減。特に共働き世帯や一人親家庭にとって心強いサポートとなります
住宅手当・家賃補助通勤時間を短縮できるエリアへの居住を支援することで、生活基盤が安定し、日々のストレス軽減につながります
社内保育所・託児所の設置子どもを近くに預けられる安心感があり、送迎の負担も大幅に減少。育児と仕事の両立がしやすくなります
介護関連の情報提供・相談窓口介護に直面したとき、何をすればいいか分からず不安になる方は多いもの。専門家への相談ルートがあるだけで心理的な負担が軽くなります

生活面の福利厚生は、従業員のライフステージによって必要なものが異なります。定期的にアンケートを実施するなどして、実際にどのような支援が求められているかを把握することが大切です。

健康などを支える福利厚生

最後に、従業員の心身の健康をサポートする福利厚生について見ていきましょう。健康であることは、仕事でもプライベートでも充実した時間を過ごすための大前提。近年は「健康経営」という考え方も広まり、従業員の健康管理に力を入れる企業が増えています。

福利厚生・制度期待できる効果
健康診断の充実・オプション補助法定の健康診断に加え、人間ドックやがん検診などのオプションを補助することで、不調の早期発見・早期対応が可能になります
メンタルヘルス相談・カウンセリング支援社外の専門家に相談できる窓口を設けることで、精神的な負担を一人で抱え込まずに済む環境を作れます
スポーツジム・フィットネス補助運動習慣をつけやすくなり、体調管理やストレス発散に効果的。デスクワーク中心の職場では特に喜ばれる制度です
リフレッシュ休暇・特別休暇勤続年数に応じた長期休暇などを設けることで、仕事から離れてしっかり休む時間を確保。心身のリセットにつながります
健康管理アプリの導入日々の歩数や睡眠、食事などを記録・可視化することで、従業員自身が健康を意識するきっかけになります

健康に関する福利厚生は、導入しただけでは活用されにくいという課題もあります。「せっかくジムの補助があるのに使っていない」という声も珍しくありません。利用促進のための声かけや、参加しやすいイベントの企画など、運用面での工夫も合わせて検討しましょう。

ワークライフバランスにつながる福利厚生の導入事例3選

ここまで、ワークライフバランスを支える福利厚生の種類や選び方について解説してきました。では、実際に企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。

ここでは、それぞれ異なるアプローチで福利厚生を充実させている3社の事例をご紹介します。

  • サイボウズ株式会社:働き方に関する福利厚生
  • LINEヤフーコミュニケーションズ:勤務環境に関する福利厚生
  • オムロンヘルスケア株式会社:健康支援に関する福利厚生

サイボウズ株式会社:働き方に関する福利厚生

グループウェアの開発・販売を手がけるサイボウズ株式会社は、「100人いれば100通りの働き方がある」という考え方のもと、柔軟な働き方を支援する福利厚生を展開しています。

特徴的なのが、独自の休暇制度。「ケア休暇」は、自分や家族の傷病、看護・介護、療養のために年5日取得できる制度で、配偶者だけでなく事実婚や同性婚のパートナー、その両親まで幅広く「家族」として認められています。また、取得要件を限定しない「プロアクティブ休暇」も年5日用意されており、従業員が主体的に休暇を活用できる環境が整っています。

育児・介護支援も手厚く、育児休暇は最長6年間取得可能。子どもが小学校に入学するまでを限度として、家庭の状況に合わせて柔軟に期間を設定できます。必要に応じて復帰後に再度休暇を取ることもでき、男性社員の取得も多いとのこと。

こうした制度を整備した結果、かつて28%に達していた離職率は3~5%まで改善。「休暇取得がキャリアに不利にならない」という安心感が、従業員の定着につながっています。

参照:サイボウズ株式会社

LINEヤフーコミュニケーションズ:勤務環境に関する福利厚生

福岡に本社を構えるLINEヤフーコミュニケーションズは、オフィス環境の整備を通じて従業員のワークライフバランスを支援しています。

同社のオフィスには、社員専用のカフェスペースが設けられており、リーズナブルな価格でコーヒーや軽食を楽しめます。業務エリアとリフレッシュエリアを明確に分けることで、気分の切り替えがしやすい環境を実現。このカフェスペースは、勉強会やチームの懇親会など、さまざまな用途にも活用されています。

さらに特筆すべきは、社内に設けられたマッサージルームの存在。国家資格を持ったマッサージ師が常駐しており、従業員は好きな時間に施術を受けることが可能です。デスクワーク中心の業務で凝り固まった体をほぐし、リフレッシュすることで、集中力の維持につなげています。

そのほかにも、勤続5年で10日間取得できるリフレッシュ休暇制度を導入。有給休暇取得率は81%と高水準を維持しており、仕事とプライベートのバランスを取りやすい環境が整っています。

参照:LINEヤフーコミュニケーションズ

オムロンヘルスケア株式会社:健康支援に関する福利厚生

血圧計や体重計などの健康機器を手がけるオムロンヘルスケア株式会社は、自社の事業と連携した独自の健康経営を推進しています。

同社では「ゼロイベント」というビジョンを掲げ、高血圧に起因する脳・心血管疾患の発症ゼロを目指しています。その実現に向け、従業員全員が家庭で血圧を測定し、血圧の適正化に取り組む活動を展開。自社製品を活用しながら、生活習慣の見直しと行動変容を促しています。

運動習慣の定着にも力を入れており、社内でウォーキングイベントを定期的に開催。健康アプリを活用して日々の歩数を記録・グラフ化できる仕組みも整備し、チームで楽しく歩数を競い合いながら、自然と運動習慣が身につくようサポートしています。

さらに、社員食堂では健康を意識したメニューを提供。運動・睡眠・メンタルヘルス・食事・禁煙の5項目を「Boost5」という健康指標として設定し、達成項目が多い従業員ほど高いパフォーマンスを発揮する傾向が確認されているそうです。

健康機器メーカーならではの知見を活かした取り組みは、従業員の健康増進だけでなく、事業ビジョンの体現にもつながっています。

参照:オムロンヘルスケア株式会社

福利厚生を導入するためのステップ

ワークライフバランスを支える福利厚生を導入したいと思っても、「何から始めればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。やみくもに制度を増やしても、活用されなければ意味がありません。

ここでは、福利厚生を効果的に導入するための5つのステップをご紹介します。

  • ステップ1:ワークライフバランスの課題を整理する
  • ステップ2:福利厚生で解決すべき領域を決める
  • ステップ3:制度設計と運用ルールを決める
  • ステップ4:社内に周知し、使いやすい環境を整える
  • ステップ5:定期的に見直し、改善する

ステップ1:ワークライフバランスの課題を整理する

まず取り組むべきは、自社の現状把握。いきなり福利厚生を導入するのではなく、今どのような課題があるのかを洗い出すことが重要です。

たとえば、「残業時間が多く、プライベートの時間が取れない」「育児中の社員が働き続けにくい」「有給休暇の取得率が低い」など、課題は企業によってさまざま。従業員アンケートや面談を実施して、現場の声を集めてみましょう。

また、離職率や有給取得率、残業時間といった数値データも参考になります。客観的なデータと主観的な声の両方を集めることで、本当に解決すべき課題が見えてくるはずです。

この段階を飛ばしてしまうと、「導入したけれど誰も使わない」という事態に陥りかねません。時間をかけてでも、丁寧に課題を整理しておくことが大切です。

ステップ2:福利厚生で解決すべき領域を決める

課題が整理できたら、次は優先順位をつけていきます。すべての課題を一度に解決しようとすると、リソースが分散してしまい、どれも中途半端になってしまう恐れが。

「最も深刻な課題は何か」「解決することで最もインパクトが大きいのはどれか」といった視点で、まず取り組むべき領域を絞り込みましょう。

たとえば、若手社員の離職が多いのであれば、キャリア支援や働き方の柔軟性に関する福利厚生が効果的かもしれません。一方、ベテラン社員の健康問題が目立つなら、健康支援関連の制度を優先すべきでしょう。

また、予算や導入にかかる手間も考慮に入れる必要があります。小さく始めて成果を出し、徐々に範囲を広げていくというアプローチも有効です。

ステップ3:制度設計と運用ルールを決める

解決すべき領域が決まったら、具体的な制度設計に移ります。ここで重要なのは、「どう使うか」というルールを明確にすること。

制度の内容だけでなく、対象者の範囲、申請方法、利用回数の上限、承認フローなどを細かく決めておきましょう。あいまいなまま導入すると、後から「あの人は使えたのに、自分はダメと言われた」といった不公平感が生まれてしまいます。

また、形骸化を防ぐための工夫も必要です。たとえば、利用状況を定期的にモニタリングする仕組みを設けたり、管理職に対して制度の趣旨を説明する研修を行ったりすることが考えられます。

運用ルールは、社内規程や就業規則に反映させておくと安心。従業員がいつでも確認できるよう、イントラネットなどで公開しておくことも忘れずに。

ステップ4:社内に周知し、使いやすい環境を整える

どれだけ良い制度を作っても、従業員に知られていなければ意味がありません。導入時には、しっかりと社内に周知することが不可欠です。

全社会議やメールでの案内はもちろん、部署ごとの説明会を開催するのも効果的。特に管理職への説明は丁寧に行いましょう。上司が制度を理解していないと、部下が利用を申し出たときに適切に対応できないからです。

さらに、「使いやすい」環境を整えることも重要なポイント。申請手続きが煩雑だったり、申請先が分かりにくかったりすると、それだけで利用をためらう人が出てきます。できるだけシンプルな手続きにして、気軽に使える雰囲気を作りましょう。

経営層や管理職が率先して制度を利用する姿を見せることも、「使っていいんだ」という空気を醸成するうえで効果的です。

ステップ5:定期的に見直し、改善する

福利厚生は、一度導入したら終わりではありません。定期的に見直し、改善を重ねていくことが大切です。

導入から一定期間が経ったら、利用状況のデータを確認しましょう。想定どおりに活用されているか、特定の部署や属性に偏りがないかなどをチェックします。

あわせて、従業員の声を集めることも忘れずに。「使いにくい点はないか」「こんな制度があったら嬉しい」といったフィードバックは、改善のヒントになります。アンケートや意見箱、面談などを通じて、継続的に声を吸い上げる仕組みを作っておくと良いでしょう。

社会情勢や働き方のトレンドも変化していきます。数年前には必要とされていた制度が、今は優先度が下がっているかもしれません。逆に、新たなニーズが生まれていることも。

こうしたPDCAサイクルを回し続けることで、福利厚生は本当の意味でワークライフバランスを支える仕組みへと成長していきます。

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福利厚生を導入する際の注意点

福利厚生の導入は、ワークライフバランス推進への大きな一歩。しかし、進め方を誤ると期待した効果が得られないこともあります。

ここでは、導入時に押さえておきたい注意点を整理しました。

注意点具体的な内容対策
導入=ゴールではない福利厚生を導入しただけでは、ワークライフバランスは整いません。制度があっても、職場の雰囲気や業務量が変わらなければ活用されにくいもの福利厚生と並行して、働き方そのものの見直しや管理職の意識改革にも取り組む
使われない制度になりやすい申請手続きが複雑、承認までに時間がかかる、そもそも制度の存在が知られていないなど、利用のハードルが高いと形骸化してしまいます手続きの簡素化、定期的な周知、利用しやすい雰囲気づくりを心がける
不公平感が生まれやすい特定の従業員だけが恩恵を受けられる制度だと、「自分には関係ない」と感じる人が出てきます。部署や雇用形態による利用格差も不満の原因に幅広い従業員が活用できる制度設計を意識し、対象範囲を明確にする
導入があいまいになりがちルールが不明確なまま運用を始めると、担当者ごとに対応が異なり混乱を招きます。後からトラブルになるケースも利用条件・申請フロー・対象者などを明文化し、社内規程に反映させる

せっかく導入した福利厚生を「絵に描いた餅」にしないためには、制度設計の段階からこれらの点を意識しておくことが重要です。導入後も従業員の声に耳を傾け、必要に応じて柔軟に見直していきましょう。

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ここまで、ワークライフバランスを支える福利厚生について解説してきました。なかでも従業員の健康支援は、心身のコンディションを整え、仕事とプライベート両方の充実につながる重要な取り組みです。

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村上克利
代表取締役
13年間にわたりパーソナルジム「POLUM」を経営し、幅広い世代・職業層の健康改善をサポート。
身体づくりに合わせ、メンタル面や生活習慣の改善にも注力し、多くの顧客から「続けられる健康習慣」を引き出す指導を行う。

その豊富な現場経験を企業向けの健康経営に応用し、従業員の健康増進と組織の活性化を目的とした健康管理アプリ「Givefit」を開発。

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