ワークライフバランスの取り組み事例15選|成功企業に学ぶ実践ポイント
働き方改革が進む中で、ワークライフバランスの実現は多くの企業にとって重要な経営課題となっています。
適切な労働時間の設定や休暇制度の充実、柔軟な働き方の導入など、従業員のプライベート時間を尊重する取り組みが広がっています。これらの施策を講じることで、従業員の満足度向上だけでなく、生産性の向上や人材の定着にもつながるのです。
本記事では、実際に成功しているワークライフバランスの取り組み事例を15選ご紹介し、その成功ポイントについて解説します。貴社の経営戦略に取り入れられそうな施策がないか、ぜひご参考ください。
なお、ワークライフバランスの実現には、従業員の身体的・精神的な健康管理も不可欠です。弊社の健康管理アプリ「Givefit」は、従業員が日々の体調や生活習慣を手軽に記録・管理できるプラットフォーム。導入することで、従業員の健康度の可視化と業務改善が実現でき、ワークライフバランスの取り組みをさらに効果的に推進できます。
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ワークライフバランスの「取り組み」が積極的に行われているわけ
企業がワークライフバランスに積極的に取り組む背景には、いくつかの重要な経営課題があります。
まず、日本の労働人口が減少している中で、限られた人材をいかに確保し活用していくかが問われています。その際、待遇や労働環境が競争力を持つことが、優秀な人材の採用につながるのです。同時に、既存の従業員がキャリアを積みながら長く働き続けられる環境は、企業にとって大きな資産。人材の定着率向上は、育成コストの削減や知識・スキルの蓄積という点で、経営効率に直結します。
また、従業員が仕事に対してどの程度のやりがいや満足感を感じているかを示す「従業員エンゲージメント」の向上も、企業業績に影響を与えます。プライベートの時間が確保され、心身ともに充実した状態にある従業員は、より主体的に仕事に取り組む傾向が高いのです。
これらの要素が組み合わさることで、ワークライフバランスの充実は企業の持続的な成長と競争力強化につながる、経営戦略としての重要性を持つようになったのです。
ワークライフバランスの取り組みとは何がある?
ワークライフバランスを実現するためには、複数の施策を組み合わせた総合的なアプローチが効果的です。以下は、多くの企業が導入している代表的な5つの取り組みを表にまとめたものです。それぞれの特徴と導入目的をご確認ください。
| 取り組み | 内容概要 | 目的 |
|---|---|---|
| 長時間労働の削減 | 残業時間の上限設定、定時退社の推奨、業務効率化による労働時間の短縮 | 従業員の疲労軽減とプライベート時間の確保。結果として心身の健康を保ち、生産性向上にも寄与する |
| 休暇取得促進 | 年次有給休暇の取得推奨、リフレッシュ休暇の制度化、計画的な休暇取得の仕組み化 | 仕事からの完全なリセットの時間を作り、心身のリカバリーを実現。モチベーション向上にも貢献 |
| 柔軟な働き方 | テレワークの導入、時短勤務、フレックスタイム制度など、勤務形態の柔軟化 | 通勤時間の削減や家庭との両立を可能にし、従業員の個別のライフスタイルに対応する |
| 育児・介護など両立支援制度 | 育児休暇制度、介護休暇制度、時短勤務制度、保育費補助など | 人生のどの段階でも仕事との両立を支援し、キャリアの中断を防ぎながら長期的な定着を実現 |
| 健康管理・メンタルヘルス施策 | 健康診断、ストレスチェック、運動プログラム、カウンセリング体制など | 従業員の身体的・精神的な健康を維持し、仕事のパフォーマンスと生活の質を向上させる |
これらの取り組みは単独ではなく、複数を組み合わせることでより効果的なワークライフバランス環境が構築されます。次のセクションでは、実際に成功している15の事例をご紹介します。
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ワークライフバランスの取り組み事例を項目別に紹介
ここからは、実際にワークライフバランスの取り組みで成果を上げている企業の事例を、施策の種類別にご紹介します。長時間労働の削減、休暇取得促進、柔軟な働き方、育児・介護支援、健康経営の5つのカテゴリーに分け、各3社ずつ計15社の具体的な取り組みと成功のポイントを解説していきます。
長時間労働の削減
長時間労働を削減するための取り組みは、ワークライフバランス実現の第一歩です。残業時間の上限設定や業務効率化など、さまざまなアプローチで成果を上げている3社の事例をご紹介します。
アサヒグループホールディングス株式会社
取り組みの概要
アサヒグループは、グループ全体で統一した基本方針を掲げながら、各企業や職場の実情に合わせた施策を展開しています。働く時間と場所の柔軟性を確保することで、多様な従業員が活躍できる環境整備に注力している点が特徴です。
具体的な施策としては、始業・終業時刻を従業員が自由に設定できるスーパーフレックスタイム制度を導入。通常の年次有給休暇に加え、5日間程度の連続休暇を計画的に取得する「リフレッシュ休暇制度」や、個人が休日を指定できる「個人休日制度」など、複数の休暇制度を用意しています。
さらに、オフィスの一定時刻での消灯やパソコンの自動シャットダウンなど、物理的に長時間労働を抑制する仕組みも実施。労働時間削減に向けた多角的なアプローチが特徴となっています。
成功のポイント
従業員の行動変容を促すため、単なる制度導入に止まらず、システムやオフィス環境の側面からも長時間労働を防止する設計になっていることが重要です。
東京海上日動火災保険株式会社
取り組みの概要
東京海上日動火災保険は、保険業界という時間的制約が大きい業種にありながら、業務プロセスの見直しと効率化を通じた労働時間削減を進めています。営業職や事務職など職種別の特性に対応した施策を展開することで、全社的な長時間労働の改善を実現しています。
デジタル化による業務効率化、業務の平準化、そして明確な勤務時間ルールの設定により、従業員が計画的に業務を進められる環境を構築。これにより、長時間労働の常態化を改善し、従業員のプライベート時間を確保しています。
成功のポイント
業種や職種の特性を理解した上で、業務効率化と制度面からのダブルアプローチを実施することが、持続的な長時間労働削減につながる点が重要です。
株式会社良品計画
取り組みの概要
株式会社良品計画(無印良品の親会社)は、小売業という24時間営業や店舗スタッフの多様な勤務形態が特徴的な業種でありながら、組織全体で長時間労働削減に取り組んでいます。シフト管理の最適化や店舗ごとの人員配置の工夫により、個別の従業員の過度な負担を軽減しています。
また、管理職研修による労務管理スキルの向上と、従業員の声を反映した業務改善を継続的に実施。組織文化として「働き方の改善」を意識させる取り組みが定着している点が特筆できます。
成功のポイント
業界の慣例に左右されず、自社の状況に応じた独自の施策を構築し、継続的に改善していく姿勢が、長期的な労働時間削減を実現させています。
年次有給休暇取得促進・休み方改革
年次有給休暇の取得促進は、従業員のリカバリー時間を確保し、モチベーション維持につながる重要な施策です。計画的な休暇取得の仕組みづくりや、取得しやすい職場環境の整備に成功している3社の事例をご紹介します。
六花亭製菓株式会社
取り組みの概要
北海道の菓子メーカーである六花亭製菓は、食品製造業という繁忙期の変動が大きい業界で、計画的な年次有給休暇取得を推進しています。経営層が率先して休暇を取得する姿勢を示し、「休暇の取得は権利である」という意識を組織全体に浸透させています。
具体的には、年間休暇計画を事前に立てる仕組みを導入し、業務の繁閑を考慮したシフト調整を実施。また、休暇申請の手続きを簡潔にして、従業員が気兼ねなく申請しやすい環境を整えています。
成功のポイント
業界の繁忙期を踏まえつつ、全社的に取得を促す経営姿勢が、職場の心理的ハードルを低くしています。
株式会社丸井グループ
取り組みの概要
小売業大手の丸井グループは、店舗営業という常時人員配置が必要な業種でありながら、全従業員の年次有給休暇取得促進を実現しています。店舗ごとのシフト管理を最適化し、繁閑期に応じた人員配置計画を綿密に立てることで、個別の従業員に負担をかけない仕組みを構築しました。
さらに、独自の「キャリア休暇」など、従業員のライフスタイルに応じた多様な休暇制度も用意。休暇の目的に応じて柔軟に制度を選択できるようにすることで、休む理由を問わず取得を支援しています。
成功のポイント
業務量と人員のバランスを組織的に管理しながら、複数の休暇制度を組み合わせることで、個別の事情に応じた対応が可能になっている点。
株式会社クボタ
取り組みの概要
農業機械メーカーのクボタは、2013年時点で年次有給休暇の取得率が50%台と低迷していました。しかし、経済誌による企業ランキングで自社の遅れを認識したことがきっかけで、大規模な改革に取り組みます。
当時の社長と労働組合委員長が連名で全従業員に休暇取得を促す通達を発信。労使一体となった本気の姿勢を示すことで、社内の意識を大きく転換させました。その後、時間単位年休や半日単位年休の導入など、柔軟な取得方法を用意。特に注目すべきは、失効した年次有給休暇を最大60日分まで積み立てられる「積立年次有給休暇制度」に「特別付与」を設け、全従業員が安心して利用できる仕組みを整えた点です。
これらの施策により、2022年度には取得率110.5%(繰り越し分や独自制度を含む)を達成し、全国平均の倍以上となりました。
成功のポイント
経営層による強い意思表示と、物理的に休みやすくする仕組みの両面を組み合わせることが、意識と制度の両面からの変革につながっています。また、継続的な施策の追加により、時代に合わせた柔軟な対応が実現されています。
柔軟な働き方
柔軟な働き方は、テレワーク、時差出勤、フレックスタイム制など、従業員のライフスタイルに合わせた勤務形態を提供する施策です。働く場所や時間の自由度を高めることで、多様な人材が活躍できる環境を整備している3社の事例をご紹介します。
サイボウズ株式会社
取り組みの概要
グループウェアの開発・販売を手がけるサイボウズは、働く場所と時間の自由度を最大限に広げた施策を導入しています。完全なテレワーク制度、フレックスタイム制、そして場所を選ばずに仕事ができる環境整備により、従業員が自分のペースで業務を進められる体制を実現しています。
同社の特徴は、こうした制度を単に導入するだけでなく、企業文化として「柔軟性」を重視していること。コミュニケーションツールやプロジェクト管理ツールなど、自社製品を最大限に活用することで、場所や時間に縛られない働き方を可能にしています。
また、育児や介護といったライフイベントに対応するための短時間勤務制度も充実させ、人生のどのステージでも働き続けられる環境を整えています。
成功のポイント
制度の充実だけでなく、それを支えるテクノロジーと企業文化が一致している点。自社製品を活用することで、柔軟な働き方の実現と企業の成長が連動しています。
株式会社メルカリ
取り組みの概要
フリマアプリの提供企業であるメルカリは、急速な成長企業でありながら、従業員の多様な働き方を積極的に受け入れています。完全テレワーク制度により、全国どこからでも働ける環境を整備。さらに、曜日や時間を指定しないフレックスなタイムシステムにより、育児や介護、学習など個別の事情に対応しています。
同社の特徴は、多様性を尊重する組織文化です。異なるバックグラウンドを持つ従業員が、自分たちのペースで活躍できる環境づくりを経営戦略の中心に据えています。また、定期的なコミュニケーション機会(バーチャルコーヒーなど)を設けることで、テレワークでも社員同士の関係性が構築できるような工夫も実施しています。
成功のポイント
テレワークという物理的な距離を補うため、心理的なつながりを大切にする施策。柔軟性と帰属意識の両立が、組織の成長につながっています。
富士通株式会社
取り組みの概要
大手電機メーカーの富士通は、大企業でありながら働き方改革に積極的に取り組んでいます。「ワークライフシフト」と銘打ち、テレワーク、時差出勤、裁量労働制など複数の勤務形態を組み合わせた柔軟な働き方を推進。特に、本社機能の分散化や、複数のサテライトオフィス展開により、従業員の負担を軽減しています。
大企業特有の課題である、既存文化との調和を取りながらの改革にも工夫を凝らしています。全社的な意識改革プログラムの実施、管理職研修による意識転換、そして段階的な制度導入により、組織全体での柔軟な働き方の定着を実現しています。
成功のポイント
大規模組織での改革には、トップダウンだけでなく、組織全体の意識転換が不可欠。富士通は、段階的かつ継続的な施策により、大企業だからこそできる広がりのある働き方改革を実現しています。
育児・介護と仕事の両立支援
育児や介護は、従業員のキャリアに大きな影響を与えるライフイベントです。これらを仕事と両立させるための支援制度は、人材の確保と定着に直結します。ライフステージの変化に寄り添った支援体制を構築している3社の事例をご紹介します。
積水ハウス株式会社
取り組みの概要
建設業大手の積水ハウスは、育児支援を経営戦略の重要な柱と位置付けています。「ikuiku PROJECT(いくいくプロジェクト)」と銘打った包括的な育児支援施策を展開しており、妊娠期から育児中、さらに子どもの成長段階に応じた多角的なサポートを実施しています。
具体的には、妊娠中の勤務時間短縮、出産前後の特別休暇、そして育児休業後の復帰支援まで、ライフステージごとの支援体制を整備。特に、男性従業員の育児休業取得を積極的に推奨し、育児は女性だけの責務ではないという企業文化の醸成に力を入れています。
また、保育施設の費用補助や、遠隔で育児と仕事を両立させるためのテレワーク制度も充実させ、物理的・経済的な負担を軽減しています。
成功のポイント
育児支援を「福利厚生」ではなく「経営課題」として取り組むことで、全社的な施策として展開できている点。また、男性の育児参加を促進することで、これまで女性に集中していた負担を分散させています。
株式会社日立製作所
取り組みの概要
大手電機メーカーの日立製作所は、育児だけでなく、介護との両立支援にも力を入れている企業です。従業員が仕事のキャリアを諦めることなく、人生のどのステージでも働き続けられる環境づくりを目指しています。
育児面では、育児休業期間の延長制度や、子どもの成長段階に応じた時短勤務制度を用意。同時に、要介護の親や親族を支えながら働く従業員のために、介護休業制度、介護休暇の充実、そして介護に関する相談窓口の設置など、包括的なサポート体制を整備しています。
さらに、キャリア開発とライフイベント支援を組み合わせた人材育成制度により、育児や介護で一時的に職務を外れた従業員も、その後のキャリア形成が可能な仕組みを構築しています。
成功のポイント
育児と介護の両面から従業員をサポートすることで、人生のあらゆる段階での働き方に対応。大企業だからこそできる、包括的なキャリアパス設計が特徴です。
キユーピー株式会社
取り組みの概要
食品メーカーのキユーピーは、「多様で多彩な人材が生き生きと活躍する」という企業理念の下、充実した育児支援制度を運用しています。妊娠期から出産、育児への段階的なサポートを整備し、従業員が安心して出産・育児を迎えられる環境を整えています。
具体的な制度としては、妊娠中の勤務時間短縮や、マタニティ特別休暇(最大10日)の設置、そして育児休業制度があります。同社のデータによると、育児休業取得者数は毎年100人を超え、特に2020年度には151人が取得するなど、多くの従業員がこの制度を利用しています。
さらに、復帰後の働き方のサポートも重視。キャリア自己申告制度により、従業員自身のキャリア志向を会社と共有でき、育児後も自分のペースでキャリア形成が可能な仕組みを整えています。
成功のポイント
妊娠から出産、育児、そして職場復帰という一連のプロセスに対し、段階的で手厚いサポートを用意することで、従業員が人生のイベントを安心して迎えられる環境が実現されています。
健康経営・健康管理ツールの活用
ワークライフバランスの実現には、従業員の身体的・精神的な健康が不可欠です。健康経営とは、従業員の健康を経営課題として捉え、積極的に投資する経営手法です。データ活用や組織的なアプローチで健康経営を推進している3社の事例をご紹介します。
花王株式会社
取り組みの概要
消費財・化学メーカーの花王は、「健康経営」を経営戦略の中核に位置付け、従業員の心身の健康向上に組織的に取り組んでいます。定期的なストレスチェック、メンタルヘルス研修、そして産業医・保健師による個別相談体制を整備し、心の健康面へのサポートを充実させています。
身体面では、健康診断の実施に加え、運動習慣の定着を支援するプログラムを展開。社内に運動施設を整備したり、外部の運動教室補助を行ったりと、従業員が健康的な生活習慣を身につけやすい環境を構築しています。
さらに、これらの取り組みをデータで可視化し、部門ごとの健康課題を把握した上で、きめ細かな対策を立案。個別の施策の効果測定も行い、継続的な改善を実現しています。
成功のポイント
健康を「個人の責任」ではなく「組織の課題」として捉え、システマティックに対応することが、組織全体の健康度向上につながっています。
住友生命保険相互会社
取り組みの概要
保険会社である住友生命は、「健康寿命の延伸」を企業理念の一部として、従業員の健康管理に力を入れています。単に健康診断を実施するだけでなく、検査結果に基づいた継続的な健康指導を行い、従業員の行動変容を促しています。
同社の特徴は、健康に関する情報発信と教育活動の充実です。定期的な健康セミナーの開催、栄養指導、そして生活習慣改善プログラムなど、従業員が主体的に健康に向き合える仕組みを整えています。
また、産業医やカウンセラーとの連携により、身体と心の両面からのサポート体制を構築。特にメンタルヘルス対策に力を入れ、ストレスの早期発見と対応に努めています。
成功のポイント
検査結果から施策実施、そして効果測定という一連のサイクルを回すことで、従業員の行動変容を促し、組織全体の健康意識向上を実現しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループ
取り組みの概要
大手金融グループの三菱UFJフィナンシャル・グループは、「健康と生産性の向上」を両輪として、包括的な健康経営施策に取り組んでいます。デジタルツールの導入により、従業員の健康データを一元管理し、個人の健康度をリアルタイムで把握できる体制を整備しています。
健康管理アプリの導入により、従業員が日々の体調、運動量、睡眠時間などを記録・管理できるようにしています。これにより、個人が自分の健康状態を可視化でき、行動改善のモチベーション向上につながります。
同時に、経営層も組織全体の健康データを把握することで、部門別の課題抽出と施策立案が可能に。データに基づいた効果的な健康投資が実現され、従業員の生産性向上に直結しています。
成功のポイント
テクノロジーの活用により、個人の行動変容と組織の課題解決の両面を同時に実現。健康データの見える化が、従業員と企業の両者にメリットをもたらしています。
ワークライフバランスの取り組みを成功させる3つのポイント
これまで紹介した15の事例から、ワークライフバランスの取り組みを成功させるために共通する要素が見えてきます。内閣府の調査によれば、制度を導入しても活用されないケースが多い一方で、成功企業には共通のパターンがあることがわかっています。以下の3つのポイントが、継続的かつ効果的な施策を実現させるための鍵となります。
方針を明確に示し管理職まで浸透させる
ワークライフバランスの取り組みが機能するかどうかは、経営層がどの程度本気で推進しているかによって大きく左右されます。内閣府がまとめた「ワーク・ライフ・バランス浸透・定着に向けたポイント・好事例集」でも、「経営トップが本気を示す」「WLB管理職をつくる」ことが成功の鍵として挙げられています。
クボタの事例では、社長と労働組合委員長が連名で全従業員に休暇取得を促す通達を発信しました。この経営層による強い意思表示により、有給休暇取得率は50%台から110.5%へと飛躍的に向上し、東洋経済の「有給休暇取得率ランキング」で1位を獲得しています。曖昧なメッセージでは行動変容は起きず、制度は形骸化してしまうのです。
また、経営層の方針を現場で実行するのは管理職です。内閣府の調査では、管理職自らがノー残業デーに率先して定時退社するなど「実行垂範」が求められると指摘されています。
| 管理職に求められる役割 | 具体的な行動 |
|---|---|
| 率先垂範 | 自ら定時退社・有給取得を実践し、部下が制度を使いやすい雰囲気をつくる |
| 業務の棚卸し | 部下の業務を把握し、無駄な作業の削減や業務分担の最適化を行う |
| 継続的な声かけ | 休暇を取れていない部下への個別フォローや、取得を促す働きかけを行う |
アサヒグループの事例でも見られるように、管理職が腹落ちして初めて、組織全体に施策が浸透していきます。担当部署を設置し、社内報やポスターなど複数のチャネルを通じた継続的な情報発信が、徐々に組織文化を変えていくのです。
施策を制度と運用の両面で設計する
多くの企業が陥る失敗は「制度を作って終わり」にしてしまうことです。制度が形骸化する主な原因として、以下の3つが挙げられます。
- 評価への不安:制度を利用すると「昇進の道が閉ざされる」と従業員が感じてしまう
- 人員不足:誰かが制度を利用すると業務が回らなくなる状況がある
- 上司の理解不足:管理職が制度の目的や活用方法を十分に理解していない
これらを解消するには、運用面での工夫が不可欠です。丸井グループの事例では、シフト管理の最適化、申請手続きの簡潔化、そして「休暇を取ることは権利である」という職場環境づくりにより、制度の活用が促進されました。
具体的に効果が出ている運用上の工夫としては、年次有給休暇の申請をワンクリックで完結させる手続きの簡略化、年度初めに年休取得計画を策定させる仕組み、社内クラウドやチャットによる情報一元化で休みやすい環境を構築すること、「給料日早上がりDAY」など休暇取得のきっかけを制度化することなどがあります。
また、「時間」ではなく「成果」に基づいた評価基準を明確化し、制度を利用しても評価に影響しないことを示すことで、従業員の安心感が高まります。キユーピーやメルカリの事例のように、複数の休暇制度を組み合わせることで、育児・介護・キャリアアップなど多様なニーズに対応することも重要です。
データを活用し改善を継続する
施策の効果を最大化するためには、データに基づいた現状把握と継続的な改善が不可欠です。経済産業省も健康経営において「健康投資を見える化する」ことの重要性を強調しており、これはワークライフバランス全般にも当てはまります。
まず現状を正確に把握することが出発点です。有給休暇取得率(2024年時点の全国平均は約65%)、月間残業時間、離職率、従業員エンゲージメントスコアなどを部門別・職種別に分析することで、優先的に取り組むべき課題が明確になります。
厚生労働省の調査によれば、ワークエンゲージメントのスコアが1単位上昇すると、企業の労働生産性が1〜2%向上する可能性があることが示されています。三菱UFJフィナンシャル・グループの事例で見られたように、健康管理アプリの導入により従業員が自分の健康状態を可視化できることで、行動変容が促されます。Givefitのような健康管理アプリを活用すれば、従業員個人の気づきと企業側のサポートの両面から、より効果的な取り組みが実現できるのです。
そして、施策を実施して終わるのではなく、PDCAサイクルを継続的に回すことが重要です。
| PDCAの段階 | 具体的なアクション |
|---|---|
| Plan(計画) | 現状データから課題を特定し、改善目標と施策を設定する |
| Do(実行) | 制度の導入・運用を開始し、従業員への周知を徹底する |
| Check(評価) | 従業員アンケート、取得率、生産性の変化など多角的に効果を測定する |
| Action(改善) | 効果が見られない施策は見直し、成功事例は全社に展開する |
この継続的な改善サイクルを通じてのみ、ワークライフバランスの取り組みは組織に真に定着し、持続的な効果をもたらすようになるのです。
ワークライフバランスの取り組みはGiveFitから
本記事を通じて、15の企業事例と成功のポイントをご紹介してきました。これらの事例から明らかなことは、ワークライフバランスの実現には、制度面での工夫だけでなく、従業員の身体的・精神的な健康維持が不可欠だということです。
健康がワークライフバランスの土台
長時間労働を削減し、休暇を充実させ、柔軟な働き方を導入したとしても、従業員の心身が疲弊していれば、その効果は限定的です。むしろ、従業員が心身ともに健康で活力のある状態だからこそ、与えられた自由な働き方を有効活用でき、仕事のパフォーマンスも向上するのです。
三菱UFJフィナンシャル・グループの事例で見られたように、従業員の健康データを可視化することで、個人の行動変容を促し、同時に企業側も組織全体の健康課題を把握できるようになります。このアプローチこそが、ワークライフバランス施策を次のレベルへ進める鍵となるのです。
Givefitで健康管理を始める
貴社のワークライフバランスの取り組みをより効果的に推進するために、弊社の健康管理アプリ「Givefit」の導入をご検討ください。Givefitは、従業員が日々の体調や生活習慣を手軽に記録・管理できるプラットフォーム。専門的な知識がなくても簡単に使用でき、個人の健康データが自動で集約されるため、従業員個人の健康課題の把握と改善が実現できます。
同時に、経営層や人事部門も組織全体の健康状況を一目で把握でき、部門別・職種別の課題解決に向けた施策立案が可能になります。結果として、従業員の心身の健康向上だけでなく、業務改善や生産性向上といった経営課題の解決にもつながるのです。
今こそ、ワークライフバランス実現へ
本記事で紹介した企業事例は、すべて従業員の健康を経営課題として真摯に取り組んできた企業ばかりです。貴社もまた、これらの先進企業に続き、ワークライフバランスの実現と従業員の健康管理を組み合わせた、総合的な施策を推進してはいかがでしょうか。
Givefitは、そうした貴社の取り組みを強力にサポートします。従業員の心身の健康から始まる、真のワークライフバランス実現へ。Givefitとともに、一歩を踏み出してください。
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