ワークライフバランスと働き方改革の違いや関係性を解説!取り組み内容や企業事例も紹介

近年、「ワークライフバランス」と「働き方改革」という言葉を耳にする機会が増えました。どちらも働く環境の改善に関係するキーワードですが、この2つの違いをしっかり説明できる方は意外と少ないのではないでしょうか。

実は、ワークライフバランスと働き方改革は同じものではありません。それぞれ異なる背景や目的を持ちながらも、密接に関連しています。本記事では、両者の違いや関係性をわかりやすく解説し、企業が実践している取り組み事例もご紹介します。

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ワークライフバランスと働き方改革の違いと関係性

ワークライフバランスと働き方改革。どちらも「働きやすさ」に関する言葉として使われますが、実際にはそれぞれ異なる意味を持っています。ここでは、両者の定義と違い、そしてどのような関係にあるのかを整理していきましょう。

本章では、以下の3つの観点から解説します。

  • ワークライフバランスとは
  • 働き方改革とは
  • ワークライフバランス=働き方改革ではない

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、日本語で「仕事と生活の調和」を意味する考え方です。

2007年に内閣府が策定した「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」では、ワークライフバランスが実現した社会像として「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義されています。

つまり、単に労働時間を短くしたり、休みを増やしたりすることだけがワークライフバランスではありません。仕事とプライベートの両方が充実し、お互いに良い影響を与え合っている状態のこと。仕事で得た収入や経験が生活を豊かにし、充実した私生活が仕事へのモチベーションや創造性を高める——このような好循環を生み出すことが、本来の目的なのです。

また、ワークライフバランスは性別や年齢に関係なく、すべての働く人に関係する考え方という点も押さえておきたいポイント。育児中の女性だけでなく、介護をしている方、自己啓発に時間を使いたい方など、さまざまな立場の人が対象となります。

参照:内閣府「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)」

働き方改革とは

働き方改革とは、厚生労働省の定義によると「働く人々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で選択できるようにするための改革」です。

この改革が推進される背景には、日本が直面している大きな社会課題があります。少子高齢化による生産年齢人口(働き手となる15〜64歳の人口)の減少、長時間労働の常態化、正規雇用と非正規雇用の待遇格差といった問題の解決を目指しています。

2018年には「働き方改革関連法」が成立し、2019年から順次施行されました。この法律では、主に以下の3つの柱が掲げられています。

  • 長時間労働の是正:残業時間の上限規制(原則として月45時間、年360時間)、有給休暇の取得義務化(年5日)など
  • 多様で柔軟な働き方の実現:テレワークやフレックスタイム制の導入促進など
  • 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保:同一労働同一賃金の徹底など

つまり働き方改革は、国が主導して法律や制度を整備し、企業に対応を求めることで労働環境を改善していく取り組みといえます。

参照:厚生労働省「「働き方改革」の実現に向けて」

ワークライフバランス=働き方改革ではない

ここまでの内容を整理すると、ワークライフバランスと働き方改革の違いが見えてきます。

ワークライフバランスは、「仕事と生活の両方を充実させる」という個人の生き方や価値観に関する考え方。2007年の憲章策定以前から存在していた概念であり、企業や個人が自主的に目指すべき理想の姿を表しています。

一方で働き方改革は、日本社会が抱える労働問題を解決するために、国が法律や制度を通じて推進している具体的な政策。企業には法令遵守が求められ、違反した場合には罰則が科されることもあります。

両者の関係性を簡潔にまとめると、ワークライフバランスの実現は「目指すべきゴール」であり、働き方改革はそのゴールに近づくための「具体的な手段のひとつ」といえるでしょう。働き方改革で長時間労働が是正されれば、従業員がプライベートの時間を確保しやすくなり、結果としてワークライフバランスの実現につながります。

ただし、働き方改革の取り組みだけでワークライフバランスが自動的に実現するわけではありません。制度を整えるだけでなく、職場の風土改革や従業員一人ひとりの意識改革も重要。企業と従業員が協力して取り組むことで、はじめて仕事と生活の好循環が生まれるのです。

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ワークライフバランスと働き方改革を混同してはいけない理由

前章では、ワークライフバランスと働き方改革の定義や違いについて解説しました。では、なぜこの2つを混同してはいけないのでしょうか。混同することで生じる問題点と、正しく理解することの重要性について見ていきましょう。

本章では、以下の2つの観点から解説します。

  • ワークライフバランスは「目的」、働き方改革は「手段」だから
  • 制度の導入だけではワークライフバランスは実現しない

ワークライフバランスは「目的」、働き方改革は「手段」だから

ワークライフバランスと働き方改革を混同してはいけない最大の理由は、両者の位置づけが根本的に異なるからです。

ワークライフバランスは、従業員一人ひとりが仕事と生活の両方を充実させ、心身ともに健康で豊かな人生を送ること。これは企業や社会全体が目指すべき「ゴール」であり、最終的な目的にあたります。

対して働き方改革は、そのゴールに到達するための「道筋」や「手段」のひとつ。残業時間の上限規制や有給休暇の取得義務化といった施策は、あくまでワークライフバランス実現に向けたステップにすぎません。

この関係性を理解せずに働き方改革を進めると、どうなるでしょうか。「法律で決まっているから残業を減らす」「制度があるから有給を取らせる」という形式的な対応になりがち。本来の目的である「従業員の仕事と生活の充実」が置き去りにされてしまうのです。

たとえば、残業時間だけを削減しても、仕事量が変わらなければ従業員は自宅に仕事を持ち帰ることになります。これでは見かけ上の労働時間は減っても、実際の負担は変わりません。むしろ「隠れ残業」が増えて、かえってワークライフバランスが悪化するケースも。

目的と手段を正しく区別することで、「何のためにこの制度を導入するのか」「本当に従業員の生活は豊かになっているのか」という視点を持ち続けることができます。

制度の導入だけではワークライフバランスは実現しない

働き方改革関連法の施行により、多くの企業が新しい制度を導入しました。しかし、制度を整えただけでワークライフバランスが自動的に実現するわけではありません。制度導入後に、全社を挙げて取り組みを継続することが不可欠です。

よくある失敗例として、「制度はあるのに使いにくい」という状況が挙げられます。たとえば、育児休業制度が整っていても、「取得すると周囲に迷惑がかかる」「復帰後のキャリアが心配」といった雰囲気があれば、従業員は利用をためらってしまうもの。フレックスタイム制度があっても、上司が早朝出勤を当然視していれば、部下は柔軟な働き方を選びにくくなります。

制度を「絵に描いた餅」にしないためには、以下のような全社的な取り組みが求められます。

まず重要なのが、経営層からのメッセージ発信。トップ自らがワークライフバランスの重要性を語り、率先して制度を活用する姿勢を見せることで、社内の空気が変わっていきます。

次に、管理職の意識改革も欠かせません。部下の働き方に直接影響を与える立場だからこそ、長時間労働を美徳とする価値観から脱却し、効率的な働き方を評価する視点を持つ必要があります。

さらに、業務プロセスの見直しも重要なポイント。労働時間を減らすだけでなく、無駄な会議の削減や業務の自動化など、生産性を高める工夫があってこそ、従業員は安心してプライベートの時間を確保できるようになります。

制度という「器」を用意したうえで、それを活かすための「中身」——つまり職場風土や業務効率化の取り組み——を充実させること。この両輪がそろって初めて、真のワークライフバランスが実現するのです。

なぜワークライフバランスと働き方改革が重要視されるのか

ワークライフバランスや働き方改革は、もはや「あれば良い」というレベルの話ではなくなっています。企業経営において避けて通れない重要テーマとなった背景には、社会環境の大きな変化があります。ここでは、なぜ今これほど重要視されているのかを解説していきます。

本章では、以下の3つの観点から見ていきましょう。

  • 採用・定着が経営課題になっている
  • 勤務形態が変わってきているから
  • 働き方が競争条件になっている

採用・定着が経営課題になっている

少子高齢化の影響で、日本の生産年齢人口は減少の一途をたどっています。企業にとって「人材の確保」は、かつてないほど深刻な経営課題となりました。

優秀な人材を採用したい、せっかく育てた社員に長く働いてもらいたい——こうした願いを実現するために、働きやすい環境の整備が欠かせなくなっています。給与や福利厚生だけでなく、「この会社なら仕事とプライベートを両立できる」と感じてもらえるかどうかが、採用活動の成否を左右する時代です。

また、社員の定着率向上という観点でも、ワークライフバランスへの取り組みは重要。長時間労働や休暇の取りにくさが原因で退職する人は少なくありません。採用にかけたコストや、その人が持っていたスキル・ノウハウが流出してしまうのは、企業にとって大きな損失です。

逆に、働きやすい環境を整えている企業には人が集まり、定着率も高まります。結果として採用コストの削減や組織力の強化につながり、企業の競争力そのものが向上していくのです。

勤務形態が変わってきているから

働く場所や時間の選択肢が、ここ数年で大きく広がりました。特に新型コロナウイルスの影響を機に、テレワーク(在宅勤務)を導入する企業が急増。現在では、毎日オフィスに出社するスタイルだけでなく、完全在宅勤務やオフィスと自宅を組み合わせたハイブリッド勤務など、さまざまな働き方が定着しています。

このような勤務形態の多様化は、ワークライフバランスの実現を後押しする一方で、新たな課題も生み出しました。在宅勤務では通勤時間がなくなる反面、仕事とプライベートの境界があいまいになりがち。「いつでも仕事ができる環境」が、かえって長時間労働を招くケースも報告されています。

こうした状況に対応するため、企業には従来とは異なるマネジメントが求められるようになりました。勤務時間の管理方法、コミュニケーションの取り方、成果の評価基準など、見直すべき点は多岐にわたります。

つまり、勤務形態の変化に合わせて、働き方改革やワークライフバランスへの取り組みも進化させる必要があるということ。時代の変化に対応できない企業は、従業員の満足度低下や人材流出といったリスクを抱えることになります。

働き方が競争条件になっている

かつて就職先を選ぶ際の基準といえば、給与水準や企業の知名度、安定性などが中心でした。しかし現在は、「どのような働き方ができるか」が入社を決める重要な条件のひとつになっています。

特に若い世代を中心に、仕事だけでなくプライベートの充実も重視する傾向が強まっています。「残業が多い会社は避けたい」「リモートワークができる環境が良い」「育児や介護と両立できる制度があるか確認したい」——こうした声は、採用の現場で日常的に聞かれるようになりました。

つまり、働き方の質は企業間の競争条件そのもの。同じ業界、同じ職種であれば、より働きやすい環境を提供できる企業に人材が流れていきます。ワークライフバランスや働き方改革への取り組みが遅れている企業は、採用市場で不利な立場に置かれてしまうのです。

さらに、働きやすい企業という評判は、口コミやSNSを通じて広まりやすい時代。「あの会社は働きやすい」「残業が少なくてプライベートも充実できる」といったポジティブな情報は、優秀な人材を引き寄せる強力な武器になります。

このように、ワークライフバランスと働き方改革は、人材獲得競争を勝ち抜くための戦略的な取り組みとして、ますます重要性を増しているのです。

ワークライフバランスと働き方改革で得られるメリット

ワークライフバランスの推進や働き方改革に取り組むことは、従業員だけでなく企業にとっても大きなメリットをもたらします。「コストがかかる」「業務が回らなくなる」といった懸念を持つ方もいるかもしれませんが、実際には経営面でプラスの効果が期待できるのです。ここでは、具体的なメリットを整理していきましょう。

本章では、以下の3つのメリットについて解説します。

  • 採用力・人材定着が向上し経営の安定につながる
  • 従業員の生産性・モチベーションが向上する
  • 持続的な事業運営につながる

採用力・人材定着が向上し経営の安定につながる

ワークライフバランスに積極的に取り組む企業は、採用市場において大きなアドバンテージを得られます

前章でも触れたとおり、働き方の質は求職者が企業を選ぶ際の重要な判断基準。「残業が少ない」「柔軟な働き方ができる」「休暇が取りやすい」といった情報は、求人票や企業の採用ページで積極的にアピールできるポイントになります。働きやすさを重視する優秀な人材が応募してくる可能性も高まるでしょう。

また、既存の従業員にとっても、働きやすい環境は「この会社で長く働きたい」という気持ちにつながります。離職率が下がれば、採用や教育にかかるコストを抑えられるだけでなく、経験豊富な人材が社内に蓄積されていくことに。結果として、組織全体のスキルレベルが向上し、サービスや製品の品質にも好影響を与えます。

人材の確保と定着は、企業経営の土台となる部分。この土台が安定することで、中長期的な事業計画も立てやすくなり、経営基盤の強化につながっていくのです。

従業員の生産性・モチベーションが向上する

仕事と生活のバランスが取れている従業員は、心身ともに健康な状態で業務に臨めます。これが生産性の向上に直結することは、さまざまな調査でも明らかになっています。

長時間労働が続くと、疲労の蓄積によって集中力や判断力が低下。ミスが増えたり、効率が落ちたりして、かえって仕事の質が下がってしまいます。一方、適切な休息を取りながら働ける環境では、限られた時間の中で成果を出そうという意識が高まり、業務の効率化が進みやすくなります。

プライベートの充実は、仕事へのモチベーションにも良い影響を与えます。家族との時間を大切にできる、趣味や自己啓発に取り組める——こうした満足感が、「仕事も頑張ろう」という前向きな気持ちを生み出すのです。

さらに、仕事以外の場での経験や学びが、新しいアイデアや視点をもたらすことも。多様な経験を持つ従業員が増えることで、組織全体の創造性が高まり、イノベーションが生まれやすい環境が整っていきます。

持続的な事業運営につながる

ワークライフバランスと働き方改革への取り組みは、企業の持続可能性を高める効果もあります。

まず、従業員の健康維持という観点。過重労働による体調不良やメンタルヘルスの問題は、休職や離職の原因となるだけでなく、労災リスクや訴訟リスクにもつながりかねません。従業員が健康に働き続けられる環境を整えることは、こうしたリスクを未然に防ぐことにもなります。

また、働きやすい企業としての評判は、取引先や顧客からの信頼にも影響を与えます。近年は、企業の社会的責任やESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みが重視される傾向にあり、従業員を大切にする姿勢は企業イメージの向上につながるもの。結果として、ビジネスチャンスの拡大にも寄与します。

そして何より、人材という経営資源を長期的に活かせることが大きなメリット。育児や介護といったライフイベントがあっても働き続けられる環境があれば、貴重な人材の流出を防げます。多様なバックグラウンドを持つ従業員が活躍できる組織は、変化の激しい時代においても柔軟に対応できる強さを持っています。

このように、ワークライフバランスと働き方改革は、短期的なコストではなく「未来への投資」として捉えるべき取り組みなのです。

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ワークライフバランス実現のための「自社で取り組むべき」働き方改革

ワークライフバランスの重要性やメリットは理解できても、「具体的に何から始めればいいのかわからない」という声は少なくありません。ここでは、自社で実践できる働き方改革の取り組みを、ステップごとに解説していきます。いきなり大がかりな改革を目指すのではなく、できるところから着実に進めていくことが成功のポイントです。

本章では、以下の4つのステップで取り組み内容を紹介します。

  • まずは自社の働き方の実態を把握する
  • 業務課題を解消する
  • 働き方の選択肢を広げる
  • 運用ルールを定めマネジメントする

まずは自社の働き方の実態を把握する

働き方改革を進める第一歩は、現状を正確に知ることから始まります。

「うちの会社は残業が多いらしい」「有給休暇があまり使われていない気がする」——こうした漠然とした印象だけでは、効果的な対策を打つことはできません。まずは客観的なデータを収集し、自社の働き方の実態を可視化しましょう。

具体的には、以下のような項目を確認することをおすすめします。部署ごとの平均残業時間、有給休暇の取得率、休日出勤の頻度、離職率とその理由など。勤怠管理システムのデータを分析したり、従業員へのアンケート調査を実施したりすることで、数字として把握できます。

データを集めてみると、意外な発見があるかもしれません。特定の部署だけ残業が集中している、繁忙期と閑散期の差が激しい、若手社員の離職率が高い——こうした傾向が見えてくれば、優先的に取り組むべき課題も明確になります。

現状把握なしに制度だけ導入しても、的外れな対策になりかねません。「何が問題なのか」「どこを改善すべきなのか」を明らかにすることが、すべての出発点となるのです。

業務課題を解消する

働き方を改善するには、業務そのものの効率化が欠かせません。仕事量が変わらないまま労働時間だけを減らそうとしても、従業員の負担が増すだけ。業務プロセスを見直し、無駄を省く取り組みを並行して進めましょう。

効率化の手段として有効なのが、ITツールの導入です。たとえば、紙ベースで行っていた申請業務をオンライン化すれば、書類の作成や回覧にかかる時間を大幅に削減できます。チャットツールやプロジェクト管理ツールを活用すれば、情報共有がスムーズになり、会議の回数を減らせることも。

また、「そもそもこの業務は必要なのか」という視点で見直すことも重要です。慣例で続けてきた報告書作成、参加者が多すぎる定例会議、形骸化したチェック作業——こうした業務を思い切って廃止・簡略化することで、本来注力すべき仕事に時間を使えるようになります。

業務効率化は一度やって終わりではありません。定期的に業務の棚卸しを行い、改善を続けていく姿勢が大切。小さな改善の積み重ねが、やがて大きな成果につながっていきます。

働き方の選択肢を広げる

従業員一人ひとりの事情やライフスタイルは異なります。画一的な働き方を全員に求めるのではなく、多様な選択肢を用意することで、より多くの人が能力を発揮できる環境が整います。

代表的な制度としては、以下のようなものが挙げられます。

フレックスタイム制は、始業・終業時刻を従業員が自分で決められる制度。朝型の人は早く出社して早く帰る、子どもの送り迎えがある人は遅めに出社するなど、個人の都合に合わせた働き方が可能になります。

テレワーク(在宅勤務)は、オフィス以外の場所で働ける制度。通勤時間の削減や、集中しやすい環境での作業が可能になるメリットがあります。完全在宅だけでなく、週に数日は出社するハイブリッド型を採用する企業も増えています。

時短勤務制度は、育児や介護などの事情を抱える従業員が、勤務時間を短縮して働ける制度。フルタイムでは働き続けることが難しい人材の離職を防ぐ効果があります。

これらの制度は、すべてを一度に導入する必要はありません。自社の業務特性や従業員のニーズを踏まえて、実現可能なものから段階的に取り入れていくのが現実的です。

運用ルールを定めマネジメントする

制度を導入しただけでは、うまく機能しないことがあります。誰もが安心して制度を利用でき、業務にも支障が出ないよう、明確な運用ルールを定めてマネジメントしていくことが重要です。

たとえばテレワークを導入する場合、勤務時間の報告方法、連絡が取れる時間帯の設定、セキュリティに関するルールなどを事前に決めておく必要があります。ルールが曖昧だと、「在宅勤務中に連絡が取れない」「いつ働いているのかわからない」といった不満やトラブルが発生しかねません。

また、管理職の役割も重要なポイント。部下の勤務状況を適切に把握し、業務量の調整や進捗管理を行う責任があります。テレワーク中の部下とどのようにコミュニケーションを取るか、成果をどう評価するかなど、新しいマネジメントスキルが求められる場面も出てくるでしょう。

運用を始めてからも、定期的に振り返りを行うことが大切です。「制度を利用しにくい雰囲気はないか」「業務に支障は出ていないか」「従業員の満足度は向上しているか」——こうした点を確認し、必要に応じてルールを見直していく。この継続的な改善サイクルが、ワークライフバランスの実現を支えるのです。

働き方の改革によるワークライフバランスを推進した企業事例

ここまでワークライフバランスと働き方改革の違いや関係性、具体的な取り組み方法を解説してきました。では、実際に成果を上げている企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。先進的な事例を3社ご紹介します。

本章では、以下の3社の取り組み事例を紹介します。

  • SCSK株式会社
  • ブラザー工業
  • オカムラ

SCSK株式会社

ITサービス大手のSCSK株式会社は、「働き方改革」という言葉がまだ世の中に浸透していなかった2012年から、残業削減と有給休暇取得の推進に取り組んでいます。

IT業界は24時間365日稼働するシステムの保守・運用を担うことも多く、長時間労働が常態化しやすい業種。同社でも「残業をしてでも働く人が評価される」という風土があったといいます。

この状況を打破するため、2013年に「スマートワーク・チャレンジ20」をスタート。月間平均残業時間20時間以内、年次有給休暇20日の完全取得を全社目標として掲げました。

特徴的だったのは、残業削減によって減った残業代相当額を、特別ボーナスとして社員に還元したこと。「残業を減らすと収入が減る」という従来の発想を転換し、「残業を減らしても給料は減らない」という仕組みを作ることで、社員の意識改革を促しました。

さらに、経営トップ自らが顧客企業に手紙を書き、働き方改革への理解と協力を依頼。客先に常駐するエンジニアも含めて、全社で取り組む姿勢を示しました。

その結果、取り組み開始前の2010年度には月間平均残業時間27時間、年次有給休暇取得日数12日だったものが、2014年度には残業時間18時間、有給休暇取得日数19.2日(取得率約97%)まで改善。

経営層のリーダーシップと全社一丸となった取り組みが、大きな成果につながった好例といえます。

参考:内閣府「ワーク・ライフ・バランス浸透・定着に向けたポイント・好事例集」P14

ブラザー工業

プリンターやミシンなどで知られるブラザー工業株式会社は、1995年からフレックスタイム制度を導入するなど、早くから多様な働き方の実現に取り組んできた企業です。

同社の働き方改革の特徴は、制度整備と業務効率化を両輪で進めている点にあります。

2016年には、20時以降の残業を申請制、22時以降の残業を原則禁止とする制度を導入。勤務時間を朝型にシフトし、長時間労働の抑制に取り組みました。労働組合との合意のもと、法定外労働時間の上限を段階的に引き下げ、メリハリのある働き方を推進しています。

一方で、業務効率化にも注力。2018年には業務効率化プロジェクトを立ち上げ、業務プロセスの見直しやデジタルツールの活用を全社的に進めました。社内会議の運営方法や資料作成の効率化など、具体的な課題と解決策を社内で共有し、ITを活用した定型業務の自動化にも取り組んでいます。

また、2023年度にはフレックスタイム制度を拡充し、従来設けていたコアタイム(必ず勤務しなければならない時間帯)を廃止。始業後の一時的な中断・再開も可能にしました。これにより、育児や介護、通院といった個人の事情に応じて、より柔軟に就業時間を調整できるようになっています。

在宅勤務制度と組み合わせることで、従業員がライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境が整備されています。

参考:厚生労働省「働き方・休み方改善ポータルサイト」

オカムラ

オフィス家具メーカーの株式会社オカムラは、働く環境を提案する企業として、自社でも先進的な働き方改革に取り組んでいます。

同社が掲げる考え方は「ワークインライフ(Work in Life)」。従来のワークライフバランスが仕事と生活を等価に並べるイメージであるのに対し、ワークインライフは「人生(ライフ)の中にさまざまな要素があり、その一つとして仕事(ワーク)がある」という捉え方です。自分がどう生きたいかを基盤に、それを実現する手段として仕事を位置づけるという、より主体的な考え方といえます。

2016年4月にはワークライフバランス推進委員会を設置。2018年6月には、それまでの働き方改革に関する取り組みを「WiL-BE(ウィル・ビー)」というプロジェクトに整理し、代表取締役を推進リーダーとして本格始動させました。

具体的な取り組みとしては、在宅勤務制度の導入のほか、出張先や自宅から近い他拠点で勤務できる「他拠点勤務」を推進。移動時間を削減し、育児・介護などへの対応も可能にしています。

また、社員自らが働き方を見直す「働き方カエル!プロジェクト」も特徴的。行動を変える、意識を変える、会社を変える、そして早く帰る——というコンセプトのもと、部門ごとに社員主導で業務改善活動を行っています。

全員参加を意識した活動を通じて、コミュニケーションの活性化や残業削減への意識向上にもつながっています。

参考:オカムラ

ワークライフバランスと働き方改革には健康管理の仕組み化も重要

ここまで、ワークライフバランスと働き方改革の違いや関係性、具体的な取り組み方法、企業事例を紹介してきました。

最後に忘れてはならないのが、従業員の健康管理という視点です。

どれだけ素晴らしい制度を整えても、従業員が心身ともに健康でなければ、仕事と生活の好循環は生まれません。長時間労働の是正や柔軟な働き方の導入といった取り組みは、すべて従業員の健康と幸福を支えるためのもの。健康管理は、ワークライフバランス実現の土台となる重要な要素なのです。

近年は「健康経営」という考え方も広がっています。これは、従業員の健康を経営的な視点から捉え、戦略的に取り組むこと。健康な従業員は生産性が高く、欠勤や離職も少ない傾向にあるため、企業にとってもプラスの効果が期待できます。

しかし、従業員の健康状態を把握し、継続的に管理していくことは簡単ではありません。特に、テレワークやハイブリッド勤務が定着した現在、従業員の様子を直接見る機会が減り、体調の変化に気づきにくくなっているという課題もあります。

そこで重要になるのが、健康管理を「仕組み化」すること。

日々の健康状態を記録・可視化できる仕組みがあれば、従業員自身の健康意識向上につながるだけでなく、企業としても早期に対策を講じやすくなります。

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ワークライフバランスの実現や働き方改革を成功させるためには、従業員の健康管理が欠かせません。しかし、「何から始めればいいかわからない」「コストや手間がかかりそう」と感じている企業も多いのではないでしょうか。

そんな課題を解決するのが、健康管理アプリ「GiveFit」です。

GiveFitは、従業員が毎日の健康状態を簡単に記録できるアプリ。難しい操作は必要なく、誰でも手軽に使い始められるため、健康管理の習慣化を自然にサポートします。

導入のしやすさも大きな特長のひとつ。リーズナブルな価格設定で、大規模なシステム投資をせずに従業員の健康管理をスタートできます。「まずは小さく始めてみたい」という企業にもぴったりのサービスです。

また、日々蓄積される健康データを活用することで、従業員の体調変化を早期に把握し、適切なフォローにつなげることが可能に。結果として、欠勤や離職の防止、生産性の向上といった業務改善効果も期待できます。

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村上克利
代表取締役
13年間にわたりパーソナルジム「POLUM」を経営し、幅広い世代・職業層の健康改善をサポート。
身体づくりに合わせ、メンタル面や生活習慣の改善にも注力し、多くの顧客から「続けられる健康習慣」を引き出す指導を行う。

その豊富な現場経験を企業向けの健康経営に応用し、従業員の健康増進と組織の活性化を目的とした健康管理アプリ「Givefit」を開発。

「Givefit」では、個人の健康データをもとにした最適なアドバイスや行動プランを提供。
健康習慣の定着を支援し、企業全体の生産性向上や離職防止に貢献。
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