「仕事と私生活のバランスがうまく取れない」「毎日残業ばかりで家族との時間が取れない」——こうした悩みを抱える従業員は少なくありません。近年、働き方改革の推進とともに「ワークライフバランス」という言葉が広く使われるようになりました。しかし、制度を導入しただけでは、従業員の働き方が劇的に変わるわけではないのが現実です。
本記事では、企業が直面しやすいワークライフバランスの課題とその根本原因を徹底解説し、改善に向けた具体的な取り組み方法をご紹介します。
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企業が直面しやすいワークライフバランスの課題
多くの企業がワークライフバランスの向上を目指していますが、実際には様々な課題に直面しています。制度を整えても現場で機能しないケースや、一部の従業員だけが恩恵を受けているという不公平感が生じることも珍しくありません。
ここでは、企業が直面しやすい代表的な課題を6つ取り上げて解説していきます。
- 長時間労働や業務過多
- 人手不足・属人化による休みにくさ
- 管理職のマネジメント不足
- 有給が取りづらい職場
- 評価制度の曖昧さ
- 制度の形骸化
長時間労働や業務過多
ワークライフバランスを阻む最大の要因といえるのが、長時間労働や業務過多の問題です。日本の労働者は、国際的に見ても労働時間が長い傾向にあります。長時間働けば働くほど生活や休息のための時間が削られ、プライベートを充実させることが難しくなってしまいます。
長時間労働が常態化する背景には、いくつかの原因が考えられます。まず、業務量に対して人員が不足していること。次に、業務の進め方が非効率なまま放置されていること。そして、「長く働くことが美徳」という古い価値観が残っている職場もあるでしょう。
こうした環境では、従業員の心身の疲労が蓄積し、健康を損なうリスクも高まります。生産性の低下や離職にもつながりかねないため、業務内容の見直しや効率化に早めに取り組む必要があります。
人手不足・属人化による休みにくさ
「自分が休むと業務が止まってしまう」——このような状況に陥っている職場では、従業員が休暇を取りづらくなりがちです。特定の担当者しか業務内容を把握していない「属人化」が進んでいると、その人が抜けた途端に仕事が回らなくなってしまいます。
属人化が起きる原因としては、業務手順を記したマニュアルがない、情報共有の仕組みが整っていない、専門性の高い業務を一人に任せきりにしているといったことが挙げられます。担当者本人も「自分しかできない」というプレッシャーを常に感じており、体調が悪くても休みにくい状況に追い込まれてしまうケースも。
また、慢性的な人手不足が続いている職場では、誰もが余裕のない状態で働いているため、お互いに休暇を取りづらい雰囲気が自然と生まれてしまいます。このような環境を放置すると、従業員のストレスは蓄積し、最悪の場合、退職や心身の不調につながる恐れがあります。
管理職のマネジメント不足
ワークライフバランスの実現において、管理職の役割は非常に重要です。しかし、部下の業務量を適切に把握していない、チーム内での仕事の偏りを調整できていないなど、マネジメントが不十分なケースは少なくありません。
例えば、特定の従業員にばかり仕事が集中していても、上司がそれに気づかない、あるいは気づいていても対処しないまま放置していることがあります。また、管理職自身が長時間労働をしていると、部下も「早く帰りづらい」「休暇を申請しにくい」と感じてしまうものです。
管理職には、チーム全体の業務を俯瞰し、必要に応じて仕事の割り振りを調整する力が求められます。加えて、自らが率先してワークライフバランスを意識した働き方を実践することで、部下も安心して休暇を取得できる雰囲気が生まれるでしょう。
有給が取りづらい職場
有給休暇は労働者の権利として法律で保障されているにもかかわらず、実際には「取りづらい」と感じている人が多いのが現状です。
有給が取りづらい理由は様々ですが、代表的なものとしては「周囲に迷惑をかけてしまう」「上司があまり有給を取らない」「申請すると嫌な顔をされる」といった職場の雰囲気に関するものが挙げられます。また、「有給を取ると評価に響くのでは」という不安を抱えている人もいるようです。
職場に有給を取る習慣がなかったり、独自のルールで取得に制限を設けていたりするケースもありますが、これらは本来あってはならないこと。企業としては、有給取得は当然の権利であるというメッセージを発信し、誰もが気兼ねなく休める環境づくりに取り組む必要があります。
評価制度の曖昧さ
「何を基準に評価されているのかわからない」「頑張っても報われている実感がない」——こうした声が聞かれる職場では、評価制度に問題がある可能性があります。
評価基準が曖昧だと、従業員は自分の努力が正当に認められているのか判断できず、不満や不信感を抱きやすくなってしまいます。
特に、ワークライフバランスの観点で問題となるのは、「長時間働くことが評価される」という暗黙の基準が残っている場合です。効率よく仕事を終えて定時で帰る人よりも、遅くまで残って働いている人の方が高く評価されるような職場では、従業員は残業せざるを得なくなります。
また、時短勤務やフレックス制度を利用している従業員に対して、不当に低い評価をつけてしまうケースも。評価制度は、労働時間の長さではなく成果や貢献度で公正に判断されるものへと見直す必要があるでしょう。
制度の形骸化
ワークライフバランスに関する制度を導入しても、実際には使われていない——いわゆる「制度の形骸化」も大きな課題です。形骸化とは、制度として存在はしているものの、本来の目的や役割を果たしていない状態を指します。
例えば、時短勤務やテレワークの制度があっても、「利用すると周囲から白い目で見られる」「他の人に負担をかけてしまう」といった心理的なハードルがあれば、誰も使おうとしません。また、制度の目的や活用方法が従業員に十分に周知されていないと、そもそも利用しようという発想すら生まれないでしょう。
制度が形骸化する背景には、導入時に現場の実態を十分に考慮しなかった、運用のルールが曖昧だった、導入後のフォローアップを怠ったといった原因が考えられます。せっかくの制度を活かすためには、定期的な見直しと、利用しやすい環境づくりが欠かせません。
ワークライフバランスが整っている状態とは?
前章では、企業が直面しやすいワークライフバランスの課題について解説しました。では、課題が解消され、ワークライフバランスが「整っている」状態とは、具体的にどのような職場なのでしょうか。
単に制度が存在しているだけでは不十分です。制度が正しく運用され、従業員一人ひとりが仕事と生活の両方を充実させられる環境こそが、本当の意味でワークライフバランスが整った状態といえます。
ここでは、理想的な職場の特徴を5つの観点から見ていきましょう。
- 適正な労働時間と休暇が確保されている
- 休む人が出ても仕事が回る
- 働きやすさと生産性が両立している
- 心理的安全性が保たれている職場
- 健康やメンタルケアに対応した柔軟性
適正な労働時間と休暇が確保されている
ワークライフバランスが整った職場の第一条件は、従業員が適正な労働時間で働き、必要な休暇をきちんと取得できていることです。残業が当たり前になっていたり、有給休暇が形だけの制度になっていたりする状態では、仕事と生活の調和は実現できません。
具体的には、残業時間が一定の範囲内に抑えられていること、有給休暇の取得率が高い水準を維持していることが目安となります。政府は2025年までに有給休暇取得率70%という目標を掲げていますが、この数字を一つの基準として捉えてもよいでしょう。
大切なのは、制度として存在しているだけでなく、実際に活用されているかどうか。「休みたいときに休める」「定時で帰っても問題ない」という安心感が従業員にあれば、仕事へのモチベーションも高まり、結果として生産性の向上にもつながります。
休む人が出ても仕事が回る
誰かが休暇を取ったり、急な体調不良で欠勤したりしても、業務が滞りなく進む——これもワークライフバランスが整った職場の重要な特徴です。特定の人に業務が集中する「属人化」が解消されていれば、お互いにカバーし合える体制が自然と生まれます。
このような状態を実現するためには、業務の手順やノウハウがチーム内で共有されていることが欠かせません。マニュアルの整備や、定期的な情報共有の場を設けることで、「この仕事はあの人にしかわからない」という状況を防ぐことができます。
また、日頃から複数のメンバーが同じ業務を担当できるよう、ローテーションを組んだり、相互にサポートする文化を醸成したりすることも効果的。こうした取り組みによって、従業員は「自分が休んでも大丈夫」という安心感を持って休暇を取れるようになります。
働きやすさと生産性が両立している
ワークライフバランスを追求すると生産性が下がるのでは——そんな懸念を持つ方もいるかもしれません。しかし、本来のワークライフバランスとは、働く時間を単に減らすことではなく、仕事と生活の両方を充実させて好循環を生み出すことを意味します。
働きやすさと生産性を両立させている職場では、労働時間の長さではなく成果や貢献度で評価する仕組みが整っています。効率よく業務をこなして定時に帰る人が正当に評価されることで、従業員は限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮しようとするものです。
さらに、残業時間や有給取得率、従業員満足度といったデータを定期的に可視化し、改善につなげている企業も増えています。数値として現状を把握することで、問題点を早期に発見し、継続的な改善サイクルを回すことが可能になります。
心理的安全性が保たれている職場
制度がいくら整っていても、職場の雰囲気が悪ければ従業員は安心して働けません。ワークライフバランスが整った職場には、「心理的安全性」が保たれているという共通点があります。心理的安全性とは、自分の意見を言ったり、困っていることを相談したりしても、否定されたり不利益を受けたりしないと感じられる状態のことです。
例えば、有給休暇を申請するときに「周りにどう思われるか」を心配しなくてよい職場。育児や介護で時短勤務を選んでも、肩身の狭い思いをしなくてよい職場。こうした環境があってこそ、従業員は安心して制度を活用できます。
心理的安全性を高めるには、日頃からのコミュニケーションが欠かせません。上司と部下の間だけでなく、同僚同士でも気軽に声をかけ合える関係性があると、困ったときに助けを求めやすくなり、チーム全体の働きやすさが向上します。
健康やメンタルケアに対応した柔軟性
従業員の心身の健康に配慮した柔軟な対応ができることも、ワークライフバランスが整った職場の特徴です。
体調を崩したときに無理をして出勤するのではなく、しっかり休んで回復してから復帰できる——そんな当たり前のことが、実際にできる環境が大切です。
近年は、身体的な健康だけでなく、メンタルヘルスへの配慮も重要視されています。ストレスチェックの実施や、相談窓口の設置、産業医との連携など、従業員が不調を感じたときに早めに対処できる体制を整えている企業が増えています。
また、健康管理を日常的にサポートする仕組みも有効です。従業員一人ひとりが自分の健康状態を把握し、セルフケアに取り組める環境があれば、不調の予防にもつながります。企業にとっても、従業員の健康維持は医療費の削減や生産性向上といったメリットをもたらすため、積極的に取り組む価値があるでしょう。
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ワークライフバランスの課題が生まれる根本原因
ここまで、企業が直面しやすい課題と、ワークライフバランスが整った状態について解説してきました。では、なぜ多くの企業でワークライフバランスの課題が解消されないのでしょうか。
表面的な問題に対処するだけでは、根本的な解決にはつながりません。長時間労働を是正しようとしても、その原因となっている構造的な問題が残っていれば、いずれ同じ状況に戻ってしまいます。
ここでは、ワークライフバランスの課題が生まれる根本原因を3つの観点から掘り下げていきます。
- 業務プロセスの非効率さを改善していない
- 組織運営が現場頼み
- 仕組みや制度が整えられていない
業務プロセスの非効率さを改善していない
ワークライフバランスの課題が生まれる大きな原因の一つが、業務プロセスの非効率さです。「昔からこのやり方でやってきたから」と、見直しがされないまま続いている業務は意外と多いもの。こうした非効率な進め方が、結果として長時間労働や業務過多を招いています。
例えば、本来であれば不要な会議や、形式的な報告書の作成に時間を取られているケース。あるいは、手作業で行っている業務を自動化すれば大幅に時間を短縮できるにもかかわらず、そのまま放置されているケース。これらは業務の棚卸しを行えば改善できる可能性が高い部分です。
業務プロセスの見直しには時間と労力がかかりますが、一度効率化に取り組めば、その効果は長期にわたって続きます。「忙しいから改善に手が回らない」という状況こそが問題であり、まずは小さな部分から着手することが大切です。
組織運営が現場頼み
「現場が何とかしてくれるだろう」——こうした姿勢で組織を運営していると、ワークライフバランスの課題はいつまでも解消されません。業務量の調整や人員配置といった判断を現場任せにしてしまうと、問題が起きても根本的な対策が取られないままになりがちです。
特に問題となるのは、管理職や経営層が現場の実態を正確に把握していない場合。従業員がどれだけの業務を抱えているのか、残業がどの程度発生しているのか、有給休暇がきちんと取得できているのか——こうした情報が上層部に届いていなければ、適切な判断を下すことはできません。
また、人手不足の状態が続いているにもかかわらず、増員の検討や業務の見直しを行わず、既存のメンバーに負担を押し付けるだけでは、いずれ限界が訪れます。
現場の声に耳を傾け、組織として課題に向き合う姿勢がなければ、状況は改善しないでしょう。
仕組みや制度が整えられていない
ワークライフバランスを実現するには、それを支える仕組みや制度が不可欠です。
しかし、そもそも必要な制度が整備されていなかったり、制度はあっても運用ルールが曖昧だったりする企業は少なくありません。
例えば、フレックスタイム制度やテレワーク制度を導入していない企業では、従業員が柔軟な働き方を選ぶことができません。育児や介護、通院などの事情を抱えていても、従来通りの勤務形態を求められれば、仕事と生活の両立は困難になります。
また、制度を導入していても、利用するための手続きが煩雑だったり、上司の承認が必要なハードルが高かったりすると、実際に使われることは少なくなってしまいます。制度を形だけのものにしないためには、誰もが使いやすいシンプルな仕組みにすることと、利用を促進する働きかけの両方が必要です。
さらに、評価制度や給与体系といった人事の仕組みも重要なポイント。
働き方の多様性を認めながらも、公正に評価される仕組みがなければ、従業員は安心して制度を活用できません。仕組み全体を見直し、一貫性のある体制を構築することが求められます。
ワークライフバランス改善のためにまず取り組むべき3つのポイント
ワークライフバランスの課題と根本原因が明らかになったところで、次は具体的な改善に向けたステップを考えていきましょう。「何から手をつければよいかわからない」という声をよく耳にしますが、やみくもに施策を打っても効果は限定的です。
改善を成功させるためには、正しい順序で取り組むことが重要です。まずは自社の状況を正確に把握し、優先すべき課題を特定したうえで、適切な対策を講じていく必要があります。
ここでは、ワークライフバランス改善の第一歩として取り組むべき3つのポイントをご紹介します。
- 優先度の高い課題を見つける
- 現場の意見を収集する
- 改善に必要な方法を検討する
優先度の高い課題を見つける
ワークライフバランスの改善に着手する際、最初に行うべきなのは「どの課題から取り組むか」という方針を決めることです。長時間労働、有給取得率の低さ、属人化、制度の形骸化など、課題は複数存在するケースがほとんど。すべてを同時に解決しようとすると、どれも中途半端になってしまう恐れがあります。
まずは自社が抱える課題を洗い出し、それぞれの深刻度や影響範囲を整理してみましょう。従業員の離職につながりかねない緊急性の高い問題なのか、それとも中長期的に取り組むべき課題なのかを見極めることが大切です。
また、改善にかかるコストや時間、実現可能性も考慮に入れる必要があります。効果が大きく、比較的取り組みやすい課題から着手することで、成功体験を積み重ねながら改善を進められます。経営層と現場の認識をすり合わせ、組織全体で優先順位を共有することも忘れないようにしましょう。
現場の意見を収集する
課題の優先度を正しく判断するためには、実際に働いている従業員の声を聞くことが欠かせません。経営層や人事部門だけで検討していると、現場の実態とかけ離れた施策を打ち出してしまうリスクがあります。
現場の従業員は、日々の業務の中で感じている不便さや改善してほしい点を具体的に把握しています。「どこに無駄があるのか」「なぜ休みが取りづらいのか」「どんな制度があれば助かるのか」——こうした生の声は、効果的な改善策を考えるうえで貴重な情報源となります。
意見を収集する方法としては、以下のようなものが挙げられます。
- 匿名で回答できるアンケート調査の実施
- 上司と部下の1対1の面談(1on1ミーティング)
- 部署やチーム単位での意見交換会
収集した意見は、できる限り多くの視点から分析し、共通して挙がっている課題や、見過ごされていた問題点を見つけ出すことが重要です。
改善に必要な方法を検討する
課題の把握と現場の意見収集が完了したら、いよいよ具体的な改善方法の検討に入ります。
ここで大切なのは、課題の内容に合った適切な手段を選ぶこと。的外れな施策を導入しても、期待した効果は得られません。
例えば、業務の非効率さが課題であれば、業務フローの見直しや、作業を効率化するツールの導入が有効です。勤怠管理システムを活用すれば、従業員の労働時間を正確に把握でき、長時間労働の早期発見につながります。また、タスク管理ツールやコミュニケーションツールの導入によって、情報共有がスムーズになり、属人化の解消にも役立つでしょう。
制度面の整備が必要な場合は、フレックスタイム制度やテレワーク制度の導入、有給休暇の計画的付与といった選択肢が考えられます。ただし、制度を作るだけで終わらせず、運用ルールの明確化や従業員への周知も併せて行うことが成功の鍵となります。
改善策を検討する際は、一度にすべてを変えようとせず、段階的に進めていくことをおすすめします。小さな改善から始めて効果を検証し、うまくいった施策を拡大していくアプローチが、持続的な改善につながります。
自社のワークライフバランスの現状を把握するステップ
改善に向けた取り組みを始める前に、まずは自社の現状を正確に把握することが重要です。「なんとなく問題がありそう」という感覚だけでは、効果的な対策を打つことはできません。
現状把握には、数値で測れるデータから、従業員の主観的な意見まで、複数の観点からアプローチする必要があります。一つの側面だけを見ていると、本当の課題を見落としてしまう可能性があるためです。
ここでは、ワークライフバランスの現状を把握するための5つのステップをご紹介します。
- 定量データの確認
- 業務構造の可視化
- 従業員の声(定性情報)の収集
- 制度・文化の診断
- 外部環境との比較
定量データの確認
現状把握の第一歩は、数値として測定できるデータを集めることです。具体的には、残業時間、有給休暇の取得率、離職率、各種制度の利用率、従業員の健康診断データなどが挙げられます。
これらのデータは、勤怠管理システムや人事システムから抽出できる場合がほとんど。全社の平均値だけでなく、部署別や職種別に集計することで、どこに問題が集中しているのかが見えてきます。
また、単月のデータだけでなく、過去からの推移を確認することも大切です。「以前と比べて残業が増えている部署はないか」「有給取得率が下がっている時期はいつか」といった変化を捉えることで、問題の兆候を早期に発見できます。数値という客観的な根拠があれば、改善の必要性を社内で共有する際にも説得力が増すでしょう。
業務構造の可視化
定量データで全体像を把握したら、次は業務そのものの構造を可視化していきます。日々の業務がどのような流れで進んでいるのか、どの時期に負荷が集中するのか、特定の人にしかできない作業はないか——こうした点を明らかにすることが目的です。
具体的な方法としては、各部署や担当者が抱えているタスクを一覧にまとめる「業務棚卸し」が効果的。業務の流れを図式化した「業務フロー」を作成すれば、無駄な工程や重複している作業を発見しやすくなります。
また、繁忙期がいつ訪れるのかを分析しておくと、事前に人員配置を調整したり、業務を分散させたりする計画が立てやすくなります。属人化している業務についても、この段階で洗い出しておくことで、後の改善策につなげることが可能です。
従業員の声(定性情報)の収集
数値データや業務構造の分析だけでは見えてこない課題もあります。それを補うのが、従業員から直接聞き取る定性的な情報です。
日々働いている中で感じている不満や負担感、職場の雰囲気に対する印象など、数字には表れにくい部分を把握することができます。
収集方法としては、匿名で回答できるアンケート調査が代表的。本音を引き出しやすいというメリットがあります。また、上司と部下が定期的に行う1on1ミーティングも、個別の状況を深く理解するうえで有効な手段となります。
管理職へのヒアリングも忘れてはいけません。現場をまとめる立場から見た課題や、チーム内で起きている問題を把握することで、より立体的に現状を理解できるようになります。収集した声は、心理的安全性が保たれているか、業務負荷に偏りがないかといった観点で整理するとよいでしょう。
制度・文化の診断
続いて確認すべきなのは、社内の制度がきちんと機能しているか、そして職場の文化が働きやすさを支えているかという点です。制度が存在していても、実際に活用されていなければ意味がありません。
評価制度については、基準が明確で公正に運用されているかを確認します。「成果ではなく労働時間で評価されている」「時短勤務を利用すると昇進に影響する」といった実態があれば、改善が必要です。
職場の文化面では、会議のあり方をチェックしてみるのも一つの方法。目的が曖昧な会議が多い、必要以上に長時間かかっている、参加者が多すぎるといった問題は、業務効率を下げる要因となります。こうした日常的な慣習の中に、改善のヒントが隠れていることは少なくありません。
外部環境との比較
最後に、自社の状況を外部と比較してみましょう。
社内だけを見ていると、「これが当たり前」と思い込んでしまい、問題に気づけないことがあります。他社と比較することで、自社の立ち位置や改善すべき点が明確になります。
参考になるのは、転職サイトなどに掲載されている口コミ情報。現職者や退職者のリアルな声から、自社がどのように見られているかを知ることができます。もちろん、すべての口コミを鵜呑みにする必要はありませんが、複数の意見に共通する指摘があれば、真剣に受け止めるべきでしょう。
同業他社がどのような働き方の制度を導入しているかを調べることも有効です。
業界の標準的な取り組みと自社の制度を比較し、不足している部分があれば導入を検討する材料となります。また、労働関連の法令を遵守できているかどうかも、このタイミングで改めて確認しておくと安心です。
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ワークライフバランスの取り組み事例
ここまで、ワークライフバランスの課題や根本原因、改善に向けたステップについて解説してきました。「具体的にどのような取り組みをすればよいのか、他社の事例を参考にしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
実際に成果を上げている企業の取り組みを知ることは、自社の改善策を検討するうえで大きなヒントになります。業種や企業規模によって最適な施策は異なりますが、成功事例から学べるポイントは数多くあるものです。
ワークライフバランス改善に取り組んでいる企業の具体的な事例については、以下の記事で詳しくご紹介しています。制度の導入方法や運用のコツ、実際に得られた効果など、参考になる情報をまとめていますので、ぜひあわせてご覧ください。
▼ワークライフバランスの取り組み事例はこちら

健康面からワークライフバランスを進めるなら「GiveFit」
ワークライフバランスの実現において、従業員の健康管理は欠かせない要素です。心身の健康が損なわれてしまえば、仕事のパフォーマンスは低下し、私生活を楽しむ余裕もなくなってしまいます。企業として従業員の健康をサポートする体制を整えることは、ワークライフバランス推進の土台づくりといえるでしょう。
しかし、「健康管理に取り組みたいけれど、何から始めればよいかわからない」「大がかりな仕組みを導入するのはハードルが高い」と感じている企業も多いのではないでしょうか。そんな企業におすすめしたいのが、健康管理アプリ「GiveFit」です。
GiveFitは、従業員が毎日の健康状態を簡単に記録できるアプリ。難しい操作は必要なく、手軽に始められるのが特徴です。導入コストもリーズナブルなため、まずは小さく健康管理をスタートしたいという企業にも適しています。
従業員一人ひとりが自分の健康状態を把握できるようになると、不調の早期発見や予防につながります。また、健康データを活用することで、組織全体の健康課題を可視化し、業務改善のヒントを得ることも可能です。
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